たった一人でも映画祭はできる

50年も続く駄菓子屋が、少子化で子供の客がいなくなったから、今度は大人を相手するため、営業時間を昼から夜に切り替えたところ、様々な人が訪れる場になったという記事を新聞で読んだ。駄菓子だけでなく、競馬予想や人生相談までしているという。なんとなく「聴き舎」に近い感じ。いま映画館に必要なのは、このくらいダイナミックな変化だと思う。◇夕方、閑散とした映画館を後にして、来月開催する予定の「中国インディペンデント映画祭」の中山さんと打合せ。作品数は8本。どれも現代中国の歪みが描かれた、検閲の厳しい中国では上映できない作品ばかり。上映を前提にしないで作り続ける監督たちの熱意ももちろんすごいが、この映画祭をたった一人で立ち上げ、運営してきた中山さんの熱意も相当なものだ。J&Bでも映画祭をやろうとしているが、果たしてそこに「熱」はあるのかどうか。ボランティアを何人集めようと、この「熱」がなければ意味がない。

★中国インディペンデント映画祭
http://cifft.net/index.htm