2010-01-01から1年間の記事一覧

気がつけばあれから1年

「あれ」というのは、シネマを辞めた日のこと。早いものだ。シネマ最後の日は、たしか美空ひばり主演の『千姫と秀頼』の上映会で、ゲストの効果もあって珍しく超満員になったイベントだった。別にノスタルジーにひたるわけではないが、その時期にブログを書…

たまには嬉しいこともある

先日、『100年後の映画館のために』の中の山谷哲夫さんの記事を見てくれた方から、山谷さんの41年前の作品『沖縄のハルモニ』を上映したいということで連絡をいただいた。山谷さんに連絡を取ったところ、元々8mmフィルムで作られた作品で、残念ながらフィル…

夏は終ったけれど

岩名雅記さんの新作『夏の家族』が渋谷アップリンクで上映中です。いまもっとも刺激的で尖がった映画が観たい!という人にお薦めです。◇その岩名さんのインタビューを2回に渡って掲載しました。個人的にはいままでの記事の中でもっとも内容的に充実している…

「切実さ」が欠けている

黄金町バザールのある拠点に立ち寄ってみた。そこは昔はスナックだったところで、つい最近まで営業していたはずの場所だったので、久々に町を歩いていておやっと思ったのだ。3畳ほどのスペースの中央にミシンが置かれ、壁中にTシャツと小さな人形が貼り付け…

シネマの上にも三年

なんでも三年は我慢しろと言いますが、ジャック&ベティも四年目に入ってからはヒット作に恵まれて好調が続いているようです。自分は三年待たずして辞めたので、どん底だった時期しか知りませんが、踏み止まった二人はシネマの神様から頑張ったご褒美を受け…

黄金町バザールと「ANPO」

J&Bに行くついでに、黄金町バザールに立ち寄ってみた。かつて、パフィー通り、極細、新聞通りなどと呼ばれた黄金町のもっともディープな場所にあった建物が、見事にアート的な空間へと様変わりしていた。かつては絶対に入ることのできなかった建物の内部…

劇映画『夏の家族』公開情報訂正

以前紹介した岩名雅記監督作品『夏の家族』の上映情報に訂正がありました。正しくは以下のとおりです。お間違えのないようお願いします。 - 【上映情報】★日時:2010年10月9日(土)より 15:00 / 18:50 ★場所:UPLINK X 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川…

映画館は祭りの後が大変だ

若松孝二監督最新作「キャタピラー」がJ&Bの興行記録を塗り替える勢いで大ヒット中だそうです。なんでも、初日の舞台挨拶では70人も立見が出るほどだったとか。無理矢理詰め込んだあたり、支配人のこの映画にかける意気込みが伝わってくる。それにして…

劇映画『夏の家族』(岩名雅記監督)

今秋、個人的に待ちに待った映画がついに公開される。ヨーロッパで活躍する舞踏家・岩名雅記さんの劇映画第2作目『夏の家族』である。3年前に公開された前作『朱霊たち』は、戦後の横浜を原風景にしたという、幻想的でエロティシズム溢れる独特な世界観を…

監督にツイッターを立ち上げてもらった件

例のJ&Bのツイッター。あれは小林副支配人が立ち上げたのかと聞いたら、違う、と言う。じゃあ誰が?と聞くと、なんと先週の金曜までほぼ毎日劇場に来てくれていた『アヒルの子』の小野監督が立ち上げてくれたそうだ。なんでも、支配人がやるやるといいな…

J&Bがつぶやき始めた、がしかし

先日インタビューしたアイドルが「客を呼びたいんならツイッターやればいいじゃん」と言っていたのを真に受けたのだろうか、久々にJ&Bのホームページをみたら、ツイッターが始まっていた。◇梶原支配人は相変わらず事務的かつ営業的なことしか書いていない…

連日劇場に来てくれる監督さんたち

現在シネマ(J&B)で公開中の『アヒルの子』(今週金曜まで)監督の小野さやかさんのインタビューをアップしました。小野さんは連日劇場まで駆けつけてくれていて、この上映にかける熱い思いが伝わってきます。そして、シネマ1階の中華「聚香園」の餃子をやた…

アイドルへのインタビューで頭真っ白

日曜はこの日だけ限定上映された『ハンドメイドエンジェル』の取材をしにジャック&ベティへ。主演の村上友梨さんと、秋山莉奈さんの二人が応じてくれた。インタビューのコンセプトどおりに映画館のことから話かけてみた。「J&Bもハンドメイドの映画館を…

最近話題の「ザ・コーヴ」の

上映中止を求める抗議デモが、伊勢佐木町の横浜ニューテアトル前で行なわれるという情報を聞いて駆けつけた。すでに大勢の人が集まっていて、日の丸やプラカードを持った人たちが恐い顔して叫んでいる。「反日プロパガンダ映画「ザ・コーヴ」の上映を中止せ…

『ぼちぼち歩こう 墓地散歩』

日刊スポーツの石井秀一さんの本が出たので早速購入。石井さんは3年前、僕たちがJ&Bの運営を始めた当初、日刊スポーツ紙上で僕らのことを全7回にも及ぶ連載記事にしてくださった大恩人。◇「ぼちぼち〜」は坂本龍馬から忌野清志郎まで、51人の偉人たちのその…

あのニラレバ食う兄ちゃん

最近来ないね、と若葉町の中華料理「十八番」のおばちゃんに言われた。ニラレバ食う兄ちゃんとは、もちろん梶原支配人のことだ。当時支配人は二日に一回くらいのペースでニラレバを食っていた。最近はそんな時間的な余裕もないのだろうか。◇「私が助監督だっ…

最新機材を入れてはみたものの

22日(土)、「ユリ子のアロマ」の吉田浩太さんにインタビューしにジャック&ベティへ。上映後、久々に小林副支配人と飲みながら近況を語り合った。最近の大きな変化といえば、デジタルシネマ機材が導入されたこと。ジャック&ベティは見た目によらず機材だ…

今日はダブルヘッダー

午後、J&Bで原監督(ジャイアンツのほうではなくドキュメンタリー映画の巨匠)のトークが行なわれたので駆けつけると、ほぼ満員。忙しいのでインタビュー取材は難しいと言われていたのですが、名刺だけでも渡そうと思って話しかけたところ、時間を作って…

フルスタリョフ、車を!

「100年後の映画館のために」に井土紀州さんのインタビューをアップしました。いま映画館で観たい映画は?と質問したところ、思いがけず自分がずっと観たいと思っていた映画だったので盛り上がってしまいました。◇10年も前に、フランスでたまたまテレビで見…

社長の机にあった本を

借りて読んでみました(多忙な社長はもちろん未読)。非常に長いタイトルのセンスのいい本。山形の酒田にあった「グリーンハウス」という映画館や、フランス料理店の支配人として名を馳せた佐藤久一さんという方の生涯を描いた話。彼の試みは今読んでも古く…

お客さんとは何か?

先日、映画監督でもありノンフィクション作家でもある山谷哲夫さんにインタビューしてきました。そのときに言われたことは、映画を作る人も、映画館の人も、「お客さんのことを考えなければお客さんは来ない」というとてもシンプルなことでした。映画館をや…

インタビュー企画「100年後の映画館のために」スタート

誰から頼まれたわけでもなく、誰に期待されているわけでもありませんが、このたび独自にインタビュー企画を始めることにしました。タイトルは「100年後の映画館(シネマ)のために」。僕が生まれたときから当然のようにあった映画館ですが、100年後には果た…

辞めた理由、映画に対する疑問

ジャック&ベティを辞めた理由はいろいろありますが、一番大きな理由は、経済的にやっていけなくなったということでした。◇四年前、売春街摘発直後の黄金町に乗り込んで「黄金町プロジェクト」というボランティア活動をはじめ、その流れで潰れかかった映画館…

映画館のある街から遠く離れて

最後に更新してから半年近く経ってしまいました。すでにお世話になった方にはお伝えしていますが、昨年11月末でジャック&ベティを辞めまして、現在、黄金町からも遠く離れた場所で生活しております。お伝えすることができなかった皆様には本当に申し訳あり…