「映画館のような場所」を作りたい

映画館の運営を始める前、「黄金町プロジェクト」という活動をしていました。この活動がきっかけで映画館運営を引き継ぐことになったのですが、この活動自体は「何を目指しているのかわからない。活動内容が抽象的すぎる」と言われ、ほとんど理解が得られないまま昨年末に解散することになってしまいました。◇黄金町プロジェクトは、旧ちょんの間の店舗を利用して「カフェのようなもの」を作ることを目標に掲げていました。この「のようなもの」という部分が理解されず、単純に「カフェ」を開店したいのだと勘違いされ、挙句の果てに「黄金町に金儲けに来た」などといわれ不評を買ったのですが、実際はまったく店なんかやりたくないし、金儲けなんてまったく考えていませんでした(ちなみに、いまでもまったく儲かっていません)。◇「カフェ」とか「映画館」といったとき、それぞれ一般的に共有されているイメージがあると思います。カフェだったらカフェらしい内装や雰囲気があり、映画館は映画を上映する場所と認識されています。そのようなイメージを逆手にとって、どのようなカテゴリーにも属さない、「何だかよくわからない場所」を作りたい、というのが黄金町プロジェクトの目指すところでした。現在はちょんの間から映画館に場所が変わりましたが、「映画館のような場所」を目指して活動しています。それは誰も見たことがないので、言葉で説明するとどうしても抽象的になってしまい、ほとんど理解されません。今後は、具体的な形にして示していかなければならないと思っています。

※黄金町の「聴き舎」は「黄金町プロジェクト」の精神を継承して「カフェのようなもの」を実践しているお店です。