人はどうして映画に熱狂するのか

映画館で働き始めてから、世の中には熱狂的な「映画ファン」がいるのだということに気づきました。単なる「映画好き」ではなく、その好き度は、好きとかいう次元を超えていて、人生のほとんどを映画に捧げることも厭わない、そんなレベルで好きという人たちが、確かに存在しているのです(作り手以外で)。これほどまでに人を熱狂させる映画って一体何なんだろう?ちょっと冷めた眼で疑問に思っていました。◇「映画が宗教とよく似た構造を持っているのか、それとも宗教からイデオロギーの外皮を取り去ってみれば、あとには映画的骨格があらわになってくるのかはわからないが、いずれにしても両者の間には、けっして偶然でないパラレリズム(並行関係)またはイソモルフィズム(準同型性)が存在している。…」(「狩猟と編み籠」中沢新一著。)なるほど、映画ってのは宗教と同じ構造だったのか。先日、偶然この本を見つけて即買いしました。今後、映画、そして映画館と関わっていく上で、いろいろヒントをもらえそうな一冊です。

狩猟と編み籠 対称性人類学2 (芸術人類学叢書)

狩猟と編み籠 対称性人類学2 (芸術人類学叢書)