シネマの上にも三年

なんでも三年は我慢しろと言いますが、ジャック&ベティも四年目に入ってからはヒット作に恵まれて好調が続いているようです。自分は三年待たずして辞めたので、どん底だった時期しか知りませんが、踏み止まった二人はシネマの神様から頑張ったご褒美を受け取っているんだと思います。◇今発売中のミュージックマガジン10月号(109ページ)に、「誰が映画館を殺すのか」というタイトルでコラムを書かせていただきました。副支配人時代の体験と映画人たちへの取材から見えてきたことを率直に書いたものです。◇もしもう少し映画館にいたらこのような文章は書かなかったかもしれません。好調なときに滅びるなんて思いませんから。でも、興行に特有の今日明日の浮き沈みではなく、もっと先の未来のことについて考えたかったのです。どん底しか味わったことのない人間の歪んだ精神が産み出した妄想だという意見があるかもしれませんが、僕なりの切実さを持って書いたつもりです。もしよければご覧になってください。

ミュージック・マガジン 2010年 10月号

ミュージック・マガジン 2010年 10月号