祝! 『黄金町マリア』復刊!
2006年に刊行されるや多くの読者に熱烈な支持を受けながらも、その後長らく絶版になってしまっていた幻の名作が復活! その名作とは、写真家・八木澤高明さんが、横浜黄金町の最後の数年間を記録したフォト・ドキュメント『黄金町マリア ―横浜黄金町 路上の娼婦たち』。今回の復刊は、摘発により売春街としての歴史に幕を閉じてから現在までの、「その後の10年」の記録を新たに追加した増補新版です。◇僕たちがジャック&ベティの運営を始めたちょうどその頃に、この本の存在を知り、八木澤さんにお会いして黄金町の歴史についていろいろ話を伺ったのでした。そして、映画館最初の企画として写真展「レクイエム黄金町」を開催したことは忘れられない思い出です。◇あれから約10年。映画館や川の筋のお店など、今も黄金町を盛り上げてくれている人、去っていった人。それぞれの物語は続いている。僕は相変わらずに僕の黄金町マリアを探し続けている。
- 作者: 八木澤高明
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2015/09/25
- メディア: 単行本
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岩名雅記監督最新作『うらぎりひめ』公開開始!
J&Bが20周年だそうで
J&Bにはもうだいぶ行っていませんが、この12月は20周年ということで盛り上がっているようですね。記念イベントとして、初代支配人の福寿さんと梶原支配人との対談や、僕も16mmの映写を教わった映写技師・江崎さんのお話会などが組まれていますが、いずれも素晴らしいイベント。特に福寿さんは、支配人をお辞めになられて以降は映画館に来ることはなかっただけに、このイベントの実現は特別な意味を持っている。江崎さんには、2009年の「美空ひばり映画祭」のときに個人的に大変お世話になった。告知が足りなかったこともあり、ほとんど客が入っていない館内を二人で見下ろしながら、映画館も大変な時代になったねと笑いあったのはいい思い出です。◇映画黄金時代から現代まで、映画産業の興亡の中を生き抜いてきたお二人の話は、監督や俳優とはまったく異なる視点から映画の魅力を伝えてくれるでしょう。見に行きたい気もするが、僕にはやらなければならないことがある。誰かyoutubeにアップしてください。
気がつけばあれから1年
「あれ」というのは、シネマを辞めた日のこと。早いものだ。シネマ最後の日は、たしか美空ひばり主演の『千姫と秀頼』の上映会で、ゲストの効果もあって珍しく超満員になったイベントだった。別にノスタルジーにひたるわけではないが、その時期にブログを書いてなかったので今更書いておこうと思った次第です。◇最近は本業が忙しくなり、黄金町に顔を出すこともままなりません。インタビューのほうはできる範囲で細々と継続していきます。◇山谷哲夫さんの新刊が発売されます。歌舞伎町のラブホテルに潜入取材したノンフィクション。代表作『じゃぱゆきさん』の作者の面目躍如とも言うべき力作です。さっそくamazonで購入しました。
- 作者: 山谷哲夫
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 単行本
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- 作者: 山谷哲夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/10/14
- メディア: 文庫
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たまには嬉しいこともある
先日、『100年後の映画館のために』の中の山谷哲夫さんの記事を見てくれた方から、山谷さんの41年前の作品『沖縄のハルモニ』を上映したいということで連絡をいただいた。山谷さんに連絡を取ったところ、元々8mmフィルムで作られた作品で、残念ながらフィルムは現存しないけれど、幸いVHSなら1本だけあるということで、その貴重な素材をお借りし、めでたく上映できることになった。山谷さんが喜んでくれたのが何より嬉しい。◇『100年後〜』を初めて半年以上経つけれど、たいしたリアクションも無い中でこういうことがあると励まされる。自分がしたことが、世の中に少しでも役に立ったということが嬉しいし、自信とやる気につながった。